2009年10月30日

寿司図鑑は近々サイト内に移動します

長々と続けてきましたブログですが、
近々新しくなってサイト内へ移動します。

以下のブログは移動を終了しています。
お魚三昧日記
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市場と漁港の図鑑
http://ichiba.zukan-bouz.com/
うまいもん日記
http://umai.zukan-bouz.com/
酒日記
http://sake.zukan-bouz.com/
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2009年09月20日

畝蝦夷螺/ウネエゾボラ 七百六十九かん目

uneezo09.jpg

食べるための、魚貝類図鑑を作っている。
我がサイトの基本姿勢は変わらない。
ただ、ときどき分類の世界、迷宮に落ち込んでしまうことがある。
その大きな迷宮のひとつがエゾボラ属の巻貝なのだ。
一見して同定ができない。
産地がわからないと、この時点でお手上げとなる。
とくに迷宮の住人でやっかいなのがオホーツク出身者なのである。

マルエゾボラ、カブラエゾボラ、アツエゾボラにウネエゾボラにホンウネエゾボラ、フジイロエゾボラ。
種名を羅列するだけで、戦意喪失となる。
今回の稚内産のエゾボラ属にしても、過去のデータを見比べて、ため息。
図鑑を見て、ため息。
比較的典型的なものを見つけてやっとデータベースに保存する。

まあ、ここまでは分類学の世界。
食べることを考えると、エゾボラ属は真ツブ(エゾボラ)を頂点として、あとは例えば関東の市場ではどうでもいい。
「真ツブではない」として映画の通行人のような扱いとなる。
ただ、このその他大勢がうまいのである。
しかも真ツブよりも安い。

今回ウネエゾボラだとしたものだって真ツブの半値ほど。
市場で見つけて撮影し、殻からだしてぬめりを取る。
これを『市場寿司 たか』に持ち込んだ。
たかさん、その昔には巻貝を握りにするのが嫌いだった。
それが適当に切って軍艦にするのを覚えてから、嫌いではない、というラインまで前進してきている。

だから一かんは軍艦、 一かんは切り付けをして握りにと、なかなかできばえがいい。
この軍艦がうまい。
甘みがあるのがいい。
まずは甘みで、貝の風味、そして微かな苦み、シコシコした食感。
「たかさん、うまいね」
「そうだね。うまいね」
握りを口に放り込んで、ボクはこちらにも満足満足。
たかさんは、やはり首を横に振っております。

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2009年09月18日

このしろで押しずし/コノシロ 七百六十八かん目

konosiro093.jpg

姫路(兵庫県)でコノシロのことをいろいろ聞いてきた。
10月の秋祭のシーズンになると、のすしを家庭でも作るし、スーパーなどにもたくさん並ぶという。
コノシロなくしては姫路の秋祭はなりたたない模様だ。

今回の姫路行はコノシロと祭のことを調べるためだった。
そうして訪れた市場でちょうどコノシロを盛んに開いている。
これが独特のもので、三枚に開いて、その片身を観音開きにする。
思わず、この独特の開き方をしたものを一袋買い求めてくる。

帰ってきたら振り塩。
一晩寝かせて水洗いして、甘酢に漬け込む。
この段階で『市場寿司 たか』に丸投げする。
持参したのは酢で締めたコノシロと、京都八木包丁店で買い求めた押しずしの型。

koosiro090.jpg

江戸前寿司職人のたかさん、思わず、「オレはこんなもの使ったことがない」。
まあまあ、まあーとなだめて、押して出来上がったずしが美しい。
ちょっと甘めの酢締めのコノシロが、ミスマッチの江戸前のすし飯と合わさってうまいのだ。
これは大発見。
お隣の『さくら』夫婦に食べさせても、好評だった。

konosiro0901.jpg

「たかさん、明日から押しずしも始めようよ」
「いやだよ。すし飯をいくら炊いても間に合わない」
そうなんだ、押しずしって、すし飯をたくさん使うのだ。
これも大発見。

魚谷商店
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2009年09月06日

並松毬/ナミマツカサ 七百六十七かん目

namimatukasa09.jpg

キンメダイの仲間で、イットウダイ科の魚は、熱帯にいくほど食用魚として、重要で、温帯域ではあまりなじみがない。
関東にもほとんど来ないもので、まあ市場関係者も知らないだろう。
赤く、ものすごく鱗が硬い。
全身を赤い鎧をつけたように見える。
これぞ自然界の赤備ではないだろうか。

こいつが和歌山県串本からまとまってやってきた。
いつも面白い魚を送り出してくる出口水産が荷主。
市場に来ている仕入れ人が、一瞬圧倒されて動けないでいる。
ここぞとばかりに確保して、『市場寿司 たか』に走る。

たかさんに渡した途端に「これどうやって下ろすの」と聞く。
「背鰭の付け根に逆包丁で切れ目を入れて」なんて説明しながら、出てきた中身はとてもきれいだ。
白身だけど多少赤味がかる。

きれいなものを、口に入れたら、味の方もよいのだ。
独特の旨味がある。
これはいけるでしょう。
もっと食べたくなって、二かん追加。
いくつ食べても食べ飽きない味わいだ。

「たかさん、安いよこれ、仕入れに行ったら」
「嫌だよ。包丁がダメになる」

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2009年09月05日

蝦夷目張/エゾメバル 七百六十六かん目

ezomebaru09.jpg

エゾメバルとは“北海道などに多いメバルの仲間”という意味なのだろうけど、面白みに欠ける和名だ。
ボクは北海道での「ガヤ」という呼び名が大好き。
平凡なとぼけた顔をした魚で、群れを作って岩場で暮らしている。
北海道や東北に旅すると、わんさか売られている。
鮮度がいいし、安い、しかも煮つけや塩焼きにしてなかなかうまい。
見事に庶民的であることに徹している魚だ。

関東では鮮度のいいものにめったに出合わない。
普通の便で来ても、塩焼きや煮つけにするくらいだ。
今回のものはオホーツク海紋別から宅急便で来た。
ぎりぎりながら生でいける。

たかさんに手渡すと、見たことにない魚に「メバルかい?」なんて首をひねっている。
そうだった。
魚を同定して、初心者のとき、いちばん困るのが、こんな平凡な顔の魚なのだ。
平凡だけど、種類が判明しない。
喉に魚の小さな骨が刺さって、気持ち悪いような、そんなことってある。

「この魚、なんていうの」
「エゾメバルだよ。メバル」
「こっちにいるメバルとは違うよな」
「北海道とかに多いヤツだからね。こいつはオホーツク海産」
「へえー。寒いだろうねあっちは」
「冬になると流氷がくるからね」
たかさんブルブルと震える真似をしている。

出来上がったものは、あまり震えが来るようなものではなかった。
平凡な握り。
「味もメバルに近いね。旨味に欠けるね」
たかさんのメバルはウスメバルをさす。
最近、この青森などからまとまって入荷してくる沖合にいるメバルが安い。
毎日のように扱っていて、
「でもメバルの方が味がいいや」

確かに、ウスメバルの方が上かな。
でも十分に白身としてはうまいでしょう。

まるとみ渡辺水産
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2009年09月02日

サイトが引っ越し中です

サイトが引っ越し中です。
そのためにメールが受け取れなくなっています。
お急ぎの方はケータイへ。
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2009年08月31日

タカベ 七百六十五かん目

takabe09.jpg

社長、神津島かな」
「なに、タカベかい。神津島だよ」
なかなか見事なタカベで、なんとかすしネタにできそうだ。
たかさんに手渡す。
タカベは初めてではなく、それどころか年に一度は握りに仕立てている。

一般的にタカベは塩焼き用の魚だ。
白身魚なのに、脂が乗っている。
焼き始めると、その脂で炎が立ち上がるくらいだから、サンマと比べてもいい勝負。
刺身、塩焼き、煮魚という魚の価値の順位つけがあるとしたら、2番手の料理に使われるものというのは、本来値がつかないはず。
なのにタカベが高いというのは塩焼きにして、それほどにうまいということでもある。

どうして刺身にしないのか?
それは鮮度の問題があるのだろう。
タカベの産地は伊豆諸島だ。
当然船便で来て時間がかかりすぎる。
それと血合いの色が悪いのもある。

一年ぶりのタカベの握り、やはり色は悪い。
だが、味は素晴らしい。
たかさんも「これはうまいなー」と感激ひとしお。
常連さんに食べさせよう。
仲卸に二、三本買いに行ったくらいだ。

タカベのうまさは、どうやら脂からくる甘さと、旨味がともに強いところにある。
食感よりもマグロのトロを食べているような。
見た目はとにかくタカベの握りも、悪くはないね。

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2009年08月27日

汐っ子/カンパチ 七百六十四かん目

kanpati09090.jpg

汐っ子とはカンパチの若魚のことだ。
市場では20センチくらいから40センチほどをこう呼ぶ。
関東では秋を感じる魚で、外房、相模湾、駿河湾に群れが入り込んでくる。
ちなみに9月は陸上では秋の気配ただよう季節だが、海の中はもっとも水温の高いときだ。
汐っ子は熱い黒潮の申し子ともいえそうだ。

カンパチはアジ科ブリ属。
ブリ属3種、ブリ、ヒラマサ、カンパチは食用魚としてなじみ深いもの。
ブリなどは小さいとうまくないけれど、なぜかカンパチだけは小さくてもうまい。
だから汐っ子が秋の風物詩となる。

汐っ子をたかさんに手渡すと、「秋だね」なんてね。
毎年同じことをやっている。
これがいいのだ。
後は無言で、いつの間にか二かん。

一年ぶりに食べる、秋の汐っ子がうまい。
今回のものは、体長20センチ上。
産地不明は残念ながら勝手に千葉産に違いないと思い込む。
小さいのに旨味が豊で、ちゃんと脂がのっている。

「今年は夏が楽だったね」
「まだこれからだよ。いつもそうだろ」
本当に今年の夏は過ごしやすかった。
でも残暑がきびしい、可能性もある。

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2009年08月23日

卵焼き 七百六十三かん目

tamagoyaki09.jpg

一重、握りのとりをとるのは卵焼きだ。
だし巻き卵でところどころ卵白が残っている。
卵の溶き加減だけを見ても言うことなし。
とても美しい。

このほど甘く、卵の香りの高い卵焼き。
下にあるすし飯が小さすぎて見えない。
海苔帯があるので、すし飯の存在を知るというくらいだ。
上品で甘みもほどほどなので、ちゃんとすし飯の存在感も口の中で浮き上がってくる。

〆の一かんとして、言うに言われぬものだ。
改めて、一重の握りを見ていると、また尾鷲に行きたくなる。

一重 三重県尾鷲市南陽町9−3
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2009年08月22日

ゆでだこ/マダコ 七百六十二かん目

MADAKO09.jpg

関東住まいして、すし屋などで意外に食べられないのが、国産のタコなのだ。
特にマダコ。
いちばん普通であるはずのマダコが、いちばん遠い存在になってしまっている。
実はタコでいちばん高いのがマダコ、次いでミズダコ、ヤナギダコ。
ミズダコと同じくらいなのがアフリカ沖などでとれる輸入もののタコだろう。

しかも最近では、東南アジアなどから種名のわからぬ様々なタコがやってきている。
どんどん混沌として、とらえどころがなくなっているタコ世界といったらいいだろうか?

そこに一服の清涼感、真っ当なマダコが目の前にある。
皮目が小豆色をして、微かに大豆をゆでたような甘い香りがする。
口に放り込むと、ほどよく硬く、そして香りが高く。
その後に強い甘みが襲ってくる。

残念ながらマダコはすし飯とは相性が悪い。
悪いがうまい。
このゆでだこの足、一本食ってみたい願望にかられる味だ。

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